ブログ

BLOG
2026.02.25 卒業制作吹きガラス応用科

卒業制作に密着!⑤緑色のガラスを溶かして伸ばして海藻に

前回のブログでは、ガラスのアメフラシを磨いてツヤツヤにしました。

 

今回は、展示空間を演出する「ガラスの海藻」を制作します。

アメフラシの周りに海藻を配置したい

これは展示会場のミニチュアイメージ。展示スペースを広く使い、アメフラシの周囲に大量の海藻が立っている空間を作りたい!ということです。針金で海藻を表しています。

吹きガラスの設備で、ガラスの海藻を作る

竿先にガラス(無色透明)を巻き付ける

1200~1300℃の溶解炉。この中にはツボが入っていて、その中にガラス(無色透明)が蜂蜜のように溶けた状態で入っています。2年生ともなると涼しい顔で巻き取ることができます。

色ガラス(緑)の粒を付ける

金属のトレーの上に、緑色のガラスの細かい粒を置き、その上に溶けたガラスを転がすことで粒をくっつけています。

色ガラス(緑)の粒を溶かす

1000℃程度のダルマ(ガラスの再加熱用の炉)で熱し、緑色のガラスを柔らかくし最初に巻き取ったガラスとなじませます。

海藻の形にする

ギザギザ模様の金属の板に、色付けしたガラスを載せます。

ギザギザ模様がガラスに食い込んで、葉脈のような印象を生み出します。

ハサミでガラスをカットします。柔らかい状態のガラスは一般的なハサミで切ることができます。

刃を入れた瞬間、モチモチした弾力を感じます。柔らかい飴を切るような感覚です。

ここで同期がアイロンを押し付けて、ガラスを平らにつぶします。

ピンサーという、ガラスをつまむ道具で縁の複数個所に凹凸を付けます。

引き伸ばします。

ちょうどよい長さに伸ばせたら、最後に曲がり具合を調整します。

みるみるうちにガラスは冷めて固まってきますから、なるべく早いうちに曲がり具合を確定させないといけません。5~10秒経つと、もう冷めてしまいます。

徐冷する

「冷めた」とはいえ、まだ温度は500~600℃くらいあります。(ガラスを作るときは、形が動かなくなれば「冷めた」と言ったりします。)

このまま室温に放置していると、ガラスにとっては「急冷」となり割れてしまいますので、徐冷炉に入れます。徐冷炉は基本的に500℃程度に維持されており、一日の作業が終わると電源を落とします。徐冷炉には断熱材が入っているので、炉内はガラスが割れないレベルでゆっくりと温度が下がっていきます。そして、翌朝になると手に取ることができます。

海藻の完成

300~400個は作るそうです。1個10分程度で作れますが、大量に作るのはなかなか大変です!

ガラスの海藻をどうやって立てる?

海藻は、展示する際直立させなければいけません。見せたい形と安全性(倒れないかなど)を両立するにはどうすればいいでしょうか?

油粘土で土台を試作。粘土は柔らかいのでちょっとした衝撃で海藻が倒れてしまいます。

板ガラスと接着してみました。

適度なサイズにカットした板ガラスと、断面を平らに削った海藻をガラス専用の接着剤で接着しています。これで安定しました。見た目と安全性が両立できるので、この方法に決定しました。

海藻を立てる土台を板ガラスで作る

海藻と同量、土台の板ガラスも作らないといけません!

(左)縁をなめらかにしたもの(右)縁を粗削りだけしたもの

グラインダーで削ることで、(右)を(左)にしていきます。

ホイール(車輪の形をしたもの)にガラスを当て、左右に動かしながら少しずつ削ります。ホイールにはダイヤモンドが含まれているため、ガラスよりも硬いので、段々とガラスが削れていきます。水を含ませた黄色いスポンジには、摩擦で生じる熱を冷ましたり、削れたガラスの粉が舞わないようにしたりする役目があります。

水がはねてもいいように、完全防備で作業しています!清水さんはこのとき、「300~400作る予定のうち、100個目です!」と、軽快に笑いながら話してくれました。

展示運営も応用科の仕事!

卒業・修了制作展の前は応用科は色々な仕事をこなします!

・作品カタログ・DM・ポスターデザイン
・作品撮影(カタログに載せるための写真をカメラマンが撮影)
・会場配置計画
・在廊シフトづくり
・基礎科との調整 など…

これら運営業務をこなしながら、自分の卒業制作を納得のいくまで制作したり調整したりします。最後までやり切ると、自分がガラスで何をしたいのか、また、どのように生きていきたいのかが見えてくるでしょう!


次回はいよいよ展示本番!

 

ピックアップ
カテゴリ一覧