- 板ガラス造形とは
- 授業はどんな内容?
- 基礎課題:ガラスのキューブ制作
- 自由制作風景
- 完成作品
- ガラスのます。自分で吹いた酒器と合わせて(夜間基礎科1年生)
- 題「発光プリズム原石」(夜間基礎科1年生)
- 引き出し(夜間基礎科2年生)
- 鍵置き(夜間基礎科2年生)
- 6㎝×6㎝縛りで連作している学生の作品(夜間基礎科2年生)
- ナイフ(夜間基礎科2年生)
- 皿「ふわり」(夜間基礎科2年生)
- 切子模様「菊繋ぎ」を使用したペーパーウェイト(総合基礎科)
- グラス(総合基礎科)
- アクセサリー台(総合基礎科)
- ルービックキューブ(総合基礎科)
- おちょこ(総合基礎科)
- 水草を閉じ込めたガラスのキューブ(総合基礎科)
- あえて亀裂のある板ガラスを重ねて作った小さなキューブ(総合基礎科)
- 全面を丸い刃で彫り、水面や泡のような表情を出したプレート(総合基礎科)
- 最後に
- 🌟ガラス職人・ガラス作家に興味がある方へ
板ガラス造形とは
工業用ガラスを工芸作品に
「板ガラス造形」とは、窓やショーケースなどに使われる平らなガラス(フロート板ガラス)を、切ったり貼ったり溶かしたり重ねたりして作品化する技法。
ガラスの平面同士を接着して積み重ねていくことにより、ガラスを熱することなく立体を造形していくことが可能なため、サイズや形の自由度が高く、発想力を存分に試せる技法です。
また、板ガラスという素材自体の、積み重ねるにつれて深まる緑色や、手作りガラスとは違った直線的な印象は、過去多くの学生たちを魅了してきました。
板ガラス造形講師 安田先生による作品「天球儀」

先生のプロフィールや他の作品はこちらでご覧いただけます。 安田 尚平 | 東京ガラス工芸研究所
板ガラス造形の作業風景
- 道具で傷をつける
- 傷の周りに力をかけて割る
- 接着剤でガラス同士を貼る
- 平盤で平らに削る
- グラインダ―でガラスの角を取る
授業はどんな内容?
キューブ作りでベーシックな制作手順を学ぶ
板ガラス造形作品を作る際は、以下の流れが主なベースとなります。
1.切断(思った形に板ガラスを切る)
2.接着(ガラス同士を貼り合わせ立体を作る)
3.加工(削る、磨く)
精度の高い立方体の制作に取り組むことで、この基礎的な作業を一通り身に着けることができます。
応用する
1~3のような作業のほかにも、板ガラスを熱して曲げたり、砕いて型に入れて溶かしたりなど、色々な作り方が可能です。学生たちは先生の指導を受けながら自由な制作手段でオブジェや機能的な作品を制作し、応用力をつけていきます。
基礎課題:ガラスのキューブ制作
最初は、板ガラスを真っ直ぐに切る練習からスタート。どんな作品を作るにしろ、正確に割る能力は不可欠なので、とても勉強になります!
授業初日、真っ直ぐ切れたガラスと歪んで切れたガラス

ある程度真っ直ぐ切れたら、正方形をどんどん作っていきます。

切った板ガラスを集めます

接着剤でガラス同士を貼り合わせます。

積み重ねた面にできた段差を削って平面にします。

寸法がぴったり6㎝角になることを目指し、慎重に削ります。

一度削ったガラスを戻すことはできないので、神経を使う作業です!立方体をきれいに完成させられるとその後の自由制作も楽になるので、頑張りどころです。
自由制作風景
立方体を作ることを通して切断・接着・加工の基礎を身に着けた後は、自由制作に入ります。先生に適宜制作方法を相談しながら、自分のペースで思い描いた作品を制作します。
今年の学生たちの実際の作業風景をご覧ください。
細く切ったガラスを積層してますを作り、表面をヤスリがけしています

小さな立方体を作って重ねることで、ルービックキューブを作ろうとしています。

板ガラスを溶かしてグラスの形を作りました(サギング)。

不要な部分を切り落とす方法を先生に教わりました。

切った後の鋭利な角を滑らかに削ります。

使用している機械はグラインダーといいます。使い方は他の技法(切子やパートドヴェールなど)でガラスを削った時にすでに習得しましたが、今回の飲み口のような薄いフチは、繊細な当て方が必要でした。
完成作品
約3週間の授業の最終日は、完成作品を発表し評価を受ける講評会を行いました。
ガラスのます。自分で吹いた酒器と合わせて(夜間基礎科1年生)


題は「一合マス三号」。一号、二号はパートドヴェールで作ったとのことです。
題「発光プリズム原石」(夜間基礎科1年生)

引き出し(夜間基礎科2年生)


鍵置き(夜間基礎科2年生)

板ガラスを細かいカケラにし、焼いて溶かして一体化させています。よく見ると白い境目が見えます。それがカケラの跡です。

6㎝×6㎝縛りで連作している学生の作品(夜間基礎科2年生)


ナイフ(夜間基礎科2年生)

皿「ふわり」(夜間基礎科2年生)

1枚の板ガラスを、真ん中が凹んだ型の上に載せて溶かすと、板ガラスが溶けて落ちた際皿の形になる。という作り方です。

切子模様「菊繋ぎ」を使用したペーパーウェイト(総合基礎科)

5mmの板ガラスが6枚重なっています。真ん中に菊繋ぎを彫ってあります。

グラス(総合基礎科)

器の部分も板ガラスです。サギングという技法で作りました。

アクセサリー台(総合基礎科)

板ガラスを積み重ねてきれいに研磨すると、ひとつの塊のように見えます。しかし、見る角度によっては積み重なっている境目が確認できます。そのキラッとした様子をあえて見せるために、断面を様々な方向で表に出したアクセサリー台を作ったそうです。

ルービックキューブ(総合基礎科)

おちょこ(総合基礎科)

こちらもサギングで作りました。
器と土台はくっついていません。酔ったらこぼれてしまうからちゃんと台に乗せてね!とのこと。

水草を閉じ込めたガラスのキューブ(総合基礎科)

1枚1枚にらせん状に葉を彫りました。

あえて亀裂のある板ガラスを重ねて作った小さなキューブ(総合基礎科)

全面を丸い刃で彫り、水面や泡のような表情を出したプレート(総合基礎科)

最後に
今年も個性豊かな板ガラス造形作品が生まれました。
今回の授業を経て、ひとつの材料から無限の形ができる喜びを感じられたのではないでしょうか。
得られた技術は他の種類のガラスにも応用できるので、ぜひ色々な場面で活用してほしいと思います!
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